オリオンビールが「オリオン ザ・ドラフト」にリニューアル! って、沖縄クラフト!?

オリオンビールがリニューアル ビール批評

どうも、麦酒男です。

オリオンビールがリニューアルしました。

一般的に言われるオリオンビールは、「オリオン ドラフト」という商品だったんですが、それが「オリオン ザ・ドラフト」として生まれ変わりました。「オリオン ドラフト」のリニューアルは僕が沖縄に移住してから7年の間に3度くらい行われてきました。

オリオンビールがリニューアル! 新旧オリオンを飲み比べ
どうも、麦酒男です。 今年の夏、オリオンビールのメイン商品であるオリオンドラフトが55周年を迎え、リニューアルしました。....

クラフトビールブームのカウンターなのか、どんどんライトにドライになっていき、旨みが薄くなっていった印象で、個人的にはどちらかというと好みではない方向に進んできました。

原材料比較

が、今回の「オリオン ザ・ドラフト」はクリアな飲み口、かつ旨みもあって美味しいビールになっていると思いますし、このリニューアルは歓迎です。

オリオンビール オリオン ザ・ドラフト

実は先日いただいた「謎のビール」の正体が「オリオン ザ・ドラフト」だった、ということで、すでに「オリオン ドラフト」との飲み比べで新オリオンビールがとても好みで、美味しいということはわかっています。

オリオンビールの謎のビール(見本品)をいただきました飲みました【PR】
オリオンビールがやってる「謎のビール」が当たるキャンペーンについて、また謎のビール(見本品)をいただいたので、そちらを飲んだ感想をレポートします。伊江島産大麦を使ったシン・地ビールは美味しいピルスナーでした。

ただし、「沖縄クラフト」は…

さて、今回のリニューアルで大きく変わったのは味だけではありません。ビールのキャッチコピーも変わりました。以前は「Okinawan Original」だったものが「Okinawa’s Craft」に変わっています。ニュースリリースなどでも「クラフト」というワードを使っています。個人的にはこれが誰も得をしない、むしろ損をする売り出し方だと思っています。

オリジナルというのは揺るがないものだと思いますが、クラフトって最近出てきた物差しのような気がして、そこに乗り換える感じがとてもダサく感じるんですよねぇ。

オリジナル VS クラフト

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そもそも「クラフト」って?

英語のCraftって主に「手作りの工芸品」を意味しますし、クラフトビールに関しては(ちょっと前のアメリカ Brewers Associationの定義では)「Small、Independent、Traditional」とされていました。日本ではクラフトビールの定義はありませんが、2014年からキリンビールが大々的に使い始めて、結局なんなのかわからなくなってきました。

クラフトビールってなんだ?
どうも、麦酒男です。 先日(2014年7月16日)、キリンビールが『SPRING VALLEY BREWERY(スプリン....

オリオンビールとクラフトビール

まずオリオンビールは国内5位のブルワリーで、日本で“大手5社”と呼ばれる中にいます。何十万という株式を発行して、アサヒビールとも業務提携関係にあります。決して Small でも Independent でもなく、Major なブルワリーです。

そのオリオンビールが「クラフト」というワードを使いはじめたのは2014年秋、オリオンのクラフトビール「Orion Craft Brewing Project Ryukyu Pale Ale」をリリースした時だと記憶しています。

Ryukyu Pale Ale

Orion Craft Brewing Project は2017年の第5弾 Ryukyu Saison までリリースされましたが、その後消え去り、2019年には “オリオン初のプレミアムクラフトビール” として75BEER をリリースします。

オリオンビール 75BEER(ナゴビール)
オリオンビールが沖縄県だけで販売している限定ビール「75BEER(ナゴビール)」をいただいた感想レポートです。オリオン初のプレミアムクラフトということですが…

オリオンビールによる Orion Craft Brewing Project でのクラフトの定義は “世界にあるいろいろなビアスタイル” だったように思います。そして、75BEER になるとその定義を “街と職人” にシフトしたように思えます。

で、「オリオン ザ・ドラフト」ですが、伊江島の大麦を使い、やんばるの水で仕込むということを打ち出していることから、その定義は “地元の素材を使う” ことになったようです。

社長や体制が変わったオリオンビールですが、言葉の定義を変えすぎではないでしょうか。本来のクラフトという意味からも外れ、自分たちが定義してきたものも覆し、クラフトというキーワードを安易に使っている印象です。そもそも2020年になって、まだ「クラフトはナウいワード」だと思っているというセンスに危機感を覚えます。

オリオンビール 横から見るか 上から見るか

逆に地ビールブームから20年以上経った今、地元の素材を使って作り出すビールとして『シン・地ビール』的なものを謳えばかっこよかったし、オリオンビールがその先頭に立つことができたのに、もったいないなぁ、と思います。

ビールは美味しくなったのに、ビール好きに鼻で笑われるような、箸にも棒にもかからない見え方って本当にもったいないです。まあ、こういう事は実はあまり関係もなく、オリオンビールは売れるんだとは思いますけども…

話は変わりますが、今回オリオンビールのパッケージにも登場している伊江島。本当にいいところなので興味がある方はぜひ行ってみてください。沖縄本島北部の港からフェリーに乗って30分で行ける離島で、海産物はもちろん、小麦や伊江牛、ラム(お酒)も美味しい素敵な島ですよ。伊江島で飲むオリオン ザ・ドラフトは美味しいだろうなぁ。

関連リンク
オリオン ザ・ドラフト(公式ページ)

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