サッポロビールのクラフトビール参入に感じる違和感

エーデルピルス 麦酒雑記

どうも、麦酒男です。

年が明けてから、クラフトビールに関連したニュースを
いくつか目にしました。大手がクラフトビールに参入とか、
セブン-イレブンで取扱い開始とか…

そのニュースを受けて、ビールガイドをしている Allabout で
大手メーカーのビールとクラフトビールとの違いについて
記事を書かせてもらいましたが、さらにその後で
サッポロ、クラフトビールに参入というニュースも入ってきました。

そもそも、クラフトビールという言葉の定義が無い中で
何をするのかというのがわかりにくいのですが、
この動きに関して、僕は多少の違和感を感じています。

それって、コンビニの棚確保のための新商品開発と同じじゃないの?
と思ってしまうんですよね。

ボトル

いや、それでもいいんです。売らねば会社がやっていけないわけで。
でも、そうだとしたら、アサヒビールのように
『世界の多様なタイプのビールを手軽に味わえる、
ひと手間加えたアサヒのクラフトマンシップ』みたいなリリースが妥当だろうと。

2015年1月14日現在、大手メーカー各社の動きはこんな感じです。

キリンビール
・クラフトビールブランド「SPRING VALLEY BREWERY」を立ち上げる。
・ヤッホーブルーイングと資本業務提携。
アサヒビール
・「アサヒ クラフトマンシップ」シリーズを2月から数量限定で発売。
サントリー
・イオングループ限定「クラフトマンズ ビア」シリーズを販売中。
・~ザ・プレミアム・モルツ~ マスターズドリームを3月から発売。
サッポロビール
・クラフトビール事業を行う子会社を設立。

今、大手メーカーのビールの販売経路として重要なのはコンビニです。
コンビニの店舗はそんなに広くないので、冷蔵庫の棚の大きさも決まっています。
ビールを並べてもらう棚を、今までは大手メーカー同士で競ってきました。
その動きが過熱して、8月に秋限限定のビールを発売したり、
10月には雪をデザインしたビールが棚に並んだりしているんです。
大手のビールは新鮮な方が美味しいのに、そのビールが美味しい季節になったら
コンビニに並んでから2か月も経ってる、というジレンマもあります。
そんな中、セブン-イレブンがクラフトビールに注目し、
ヤッホーブルーイングの販売なんかしたら、大手メーカーの棚はますます狭くなる…
それに対抗するために何かしなくてはいけない、ということでしょうか。

エーデルピルス

そもそも、サッポロビールは北海道限定、新潟限定、静岡限定のような
地域限定のビールもリリースしていますし、エーデルピルスや
ヱビス・ザ・ホップのような他のメーカーでは造れない
美味しいビールを有しています。今後、日本で売られるビールが
多様化していけばいくほど、間違いなくそれらのビールも評価されるはず。
しかも、那須 森のビール園名古屋ビール園 浩養園のような、
そこで造られたオリジナルビールを提供している施設もあるのに、
今さらクラフトビール参入って、どういうことなんでしょうか。
先述のような施設で造られているビールは
サッポロビール的にはクラフトビールでは無いのでしょうか。

「新しくクラフトビールを造ります」と云えばニュースになりますが、
それはコンビニの棚対策と変わらないんじゃないかと思ってしまいます。
勝手にですが、サッポロビールらしくない、と違和感を感じたのでした。

例えば、サッポロビールは北海道でホップを作っていますが、
現在、そしてこれから、クラフトビールがブームになることによって
ホップ不足が懸念されています。大手が今まで使っていなかったホップを
使い始めたことによって、ブルワリーがホップを仕入れづらくなったり、
ホップの価格が上がったりしていくことも考えられます。
であれば、サッポロビールとして、クラフトビールブームに際して
ホップ栽培や仕入れに関してのサポートをします、なんて方が、
ビール関係者やファンからよっぽど支持を集めるんじゃないかと思うんですが、
どうでしょうか…

ホップなうなじ

一方で、サッポロビールには技術者の集団というイメージがあります。
ちなみに、各メーカーのイメージと得意なビールの印象は以下の通り。

キリンビール
マーケティング+苦みのビール
アサヒビール
宣伝+キレのビール
サントリー
広報+香りのビール
サッポロビール
技術+コクのビール

あくまでも個人の印象ですけども。
閑話休題。サッポロビールについて、こんな想像をしてみます。

エーデルピルスや白穂乃香もありますし、技術者たちはクラフトビール等と云わず、
もっと前から多様なスタイルのビールを造りたがっていた。けれど、
マーケティング的な視点でずっと社内の決裁がおりなかった…
が、やっと日本でもビールの多様性、クラフトビールという言葉が広がり、
やっとその時期が来た、ということもあるのかもしません。
(それにしては動きがもっと早くても良かったじゃない、とは思いますが…)

僕の大好きなエーデルピルスを造っているメーカーです。
クラフトでもクラフトじゃなくてもいいんです。いずれにしても、
これからそのクオリティを発揮したとんでもないビールを
造ってくれることを楽しみにしています。


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