株式会社KOBATSUトレーディングの「こばつ」こと小林努です。
今回はマンスリー連載ブログの第5回目です。今回も最後までお付き合いください!
このゲストブログでは、私がドイツビールの輸入を始めるに至った
ストーリーを書かせて頂いておりますが、今回はちょっと寄り道。
趣向を変えて、ビール好きなら人生で一度は行ってみたい
「オクトーバーフェスト」について書いてみようかと思います。
ここ数年、日本でも各地で開催されるようになり、
日本の皆さんにもかなり認知されるようになってきた「オクトーバーフェスト」。
ご存知の方も多いと思いますが、本場はドイツ・ミュンヘンで開催される、
世界最大のビール祭りです。
開催期間は基本的に10月第一日曜日が最終日になる16日間とされています。
例外として第一日曜日が10月1日か2日の場合は、
10月3日のドイツ統一記念日まで開催されます。
つまり最大18日間の開催になる年もあります。
期間中約600万人ものビール好きが世界中から集まります。
初日の土曜日は朝9時にはどこのテントも満席になりますが、
正午のミュンヘン市長による樽の開栓まで1滴もビールを飲むことは出来ません。
以降平日は朝10時から、週末は朝9時から夜23時半までお祭りは続きます。
(ラストオーダーは22時半)
そもそもはバイエルンの王子ルートヴィッヒとテレーゼ妃の結婚を祝うお祭として
1810年に開催されたのが起源です。オクトーバーフェストの会場となる広場は
そのことから「テレジーアンヴィーゼ(Theresienwiese=テレーゼの草原・緑地)」と呼ばれ、
地元の人々はオクトーバーフェストのことを「ヴィーズン(Wiesn)」とも言います。
たまに
「こばつさんの輸入しているプランクは
ミュンヘンのオクトーバーフェストには出てないんですか?」
と聞かれますが、オクトーバーフェストで飲めるビールはミュンヘン市内で醸造している
6ブランドに限定されています。その6ブランドとは
・ホフブロイハウス(HOFBRAUHAUS)
・レーベンブロイ(LOEWENBRAU)
・シュパーテン(SPATEN)
・パウラナー(PAULANER)
・ハッカー・プショール(HACKER PSCHORR)
・アウグスティナー(AUGSTINER)
です。これは今後も変わることはないでしょう。
日本のオクトーバーフェストは、1つのテントの中でいろんな銘柄が飲めますが、
現地では全く異なります。会場の広場には何千人も収容出来るテントが14も設置されます。
一番大きいテントは屋内に8,450人も収容出来てしまいます。
1つのテントの中で飲めるブランドは1種類です。
日本のように友達同士で行って
「オレはパウラナー飲む」「じゃぁ私はホフブロイ買ってくる」というわけにはいきません。
もちろん「おかわりは違うのを買ってくる」というのも出来ません。
2杯目以降に違うビールを飲みたければ、仲間みんなで別のテントに移動しなければなりません。
しかし、平日も午後になるとかなり混雑してくるので、
別のテントに移動して場所を探そうなんてのはかなり難しくなります。
金曜から週末にかけては無理と断言してもいいでしょう。
いろんなビールを飲みたがる日本の皆様からすると不便かもしれませんが、
ドイツの人たちは飲むビールをコロコロ変えないで、
何杯も気に入ったビールを飲むのが一般的なので、誰も困らないんです。
飲めるブランド別に14あるテントを数えてみたところ下記の通りになりました。
AUGUSTINER:2
HACKER-PSCHORR:2
HOFBRAUHAUS:1
LOEWENBRAU:2
PAULANER:3
SPATEN:3
「おいおい、1つ足りないぞ!」
というツッコミが入りそうです。実は残りの1つは、
なんとワインがメインのテントなのです(笑)
PAUANERのヴァイスビアも飲めるそうですが、驚きですよね!
オクトーバーフェストといえば「マース」と呼ばれる1リットルジョッキです。
ドイツビールは少々温くなっても美味しく飲めますので、
1リットルジョッキでゆっくり時間を掛けて飲んでも全然問題ございません。
この1リットルジョッキで周囲の人たちとカンパイするのはこの上ない楽しみです。
ある年、私はドゥンケル(ダークラガービール)好きの友人とオクトーバーフェストに行きました。
入ったテントでウェイトレスの女性に聞くと
「うちのテントにはドゥンケルはないの」と返されました。
でも隣のテーブルには黒っぽい液体をマースで飲んでるお客さんがいるではないですか!
そこで「あの人ドゥンケル飲んでるじゃないですか」と言い返すと、
ウェイトレスさんはこう言いました。
「あれはコーラよ!」
はい、オクトーバーフェストではソフトドリンクも
1リットルジョッキで飲まなければならないのです(笑)
次回「後編(アドバイス編)」に続きます!