13年前、ビールの伝道師へのインタビュー その2

ビールの伝道師 佐藤清一さん インタビュー ビールの知識

どうも、麦酒男です。

僕が本格的にビールに興味を持ち始めて約2年、
2002年に行ったインタビューを再編集、2回に分けて掲載します。
13年前、ビールの伝道師へのインタビュー その1

ビールに関することって、まだまだ勘違いが多そうで、
おいしく飲むための知識はまだまだ深められそうです。
ということで、ビールの伝道師・佐藤さんへのインタビュー後編です。

ビールの伝道師 佐藤清一さん インタビュー

タカバシ 先日はじめて知ったんですけど、同じサッポロ黒ラベルでも、その時々で、全部同じものができてるわけじゃないっていう… コーラとかどうかわからないんですけど、消費者は「いっつも同じ味!」というふうに、思っていると思うんです。ビールもそう思っていたんですよ、いつも同じ味って。消費者としては、出来がいいとか出来が悪いっていうことはないと思っていたんですけど、それが実はあるもんで、ちょっとずつ調整をしていたり。例えば、ホップの量を変えたりとか、産地を変えたりとか、調整しているというのは…
佐藤さん いや~、今のちょっと違うんですよ。ちょっと違うという意味は、今、言われたことは間違っているんじゃなくて… たとえばワインは、その年の葡萄の出来によって、味がちがいますね。ビールは一切、原料の出来によって… 大手のビールは、原料の違いがあっても出来上がったビールは必ずいつもと同じにするというのが至上命令。品質至上命令なんですよ。技術者が、必死になって考察し、ビールの品質の維持・向上に努めているわけですよ。年間格差がないようにね。もっというと、日間格差も、月間格差も、年間格差もない。とにかく格差がない、すなわち品質のバラツキが少ないビールが、一番大事なんですよ。
タカバシ かなり苦労をされるものですか?
佐藤さん それはものすごく苦労します。ただ、そうはいってもですね、意識的に微調整することはあります。例えば、わかりやすくいうと味の表現方法のひとつとして「コク」と「キレ」って言葉がありますよね。ある時は、コク・旨味を重視する造り方。他方ではキレ、軽い感じの造り方。たとえば、某社の某銘柄が、変わることがあるわけです。意識的に変えていることがあるわけですよ。逆に、方針があって、絶対に格差をなくしたい時は、徹底的にやっています。製造原料を含めてね。でも、基本的に少し、年によって変えていきます。軽いものをもってきたり、濃いものをもってきたり。でも、一番のポイントは、いわゆるビールの鮮度なんですよ。
タカバシ ええ、それもねぇ、全然気づかなかったんですけど。
佐藤さん それが、一番のポイントなんです。これだけは技術者もどうにもならないところです。
タカバシ そうですね。
佐藤さん 時間を含めてね。で、さっき言ったピルスナーウルケルもレーベンブロイも、製造年月日が大切だと思ったんですけど… 経時変化影響が大きいんですよね。時間を経ることによって品質が変わるということなんですが… ですから、新しいものはおいしい!という事は言えるんですね、ビールの場合は。
タカバシ はい。
佐藤さん 日本酒もそうなんです。ビールは、センティシブ、デリケートだから、新鮮なのがおいしいんです。新しければ新しいほどいいと、徹底してるんですね。で、日本酒も基本的に同じなんですよ。でもなぜか、日本酒業界は造るほうも売るほうもあまり言わないんですよ。
タカバシ 新しい方がおいしいということをですか?
佐藤さん 皆さんは頭の中では知っているけれど、あまり言わないように思います、おいしいって。なぜかっていうのは、追及しませんけどね。ビールはね、みんながね、ビールを造る人も、売る人も、工場の人も、一般の女性従業員まで、事務員までもね。ビールは新しい方がおいしい!って言うんです。工場見学者を含めて、いろんなところで、徹底してやってるわけですよ。日本酒も違わないんだけど、あまり言わない。ごく限られたほんの少ししか言わない。それがね、ビールと日本酒の違いがあるような、気がするんですよね。
タカバシ 日本酒も、僕は全然知らなかったので、お話を聞くまでは、結構、一升瓶の中で、熟成されたりするのかなぁ~、ぐらいのことを思ってました。
佐藤さん ビールは経時変化が大きいんですけど、日本酒も経時変化が大きいんですね。
タカバシ 逆に徐々においしくなるのかな、ぐらいに思ってました。
佐藤さん いかにできあがったビールをおいしく飲んでもらうか? という努力はね、業界を含めて、まだ不十分なんですよ。ビールも日本酒も。
タカバシ そうですね。基本的に今、日本で流通しているのは、ほとんど生ビールだ、っていうのことをわかっている人がほんとに少ないな、って。
佐藤さん その辺からはじまりますよね。飲んではいるんだけどね~。よく知らないでビールを飲んでいる人が多いといえるかもしれません。
タカバシ 瓶と生、どちらにしますか? 両方とも生なんだけどなぁ、っていうのが多いですよね。
佐藤さん まったくその通りですよね。実際には瓶と樽の生よりは缶ビール、これも生なんですが、この消費比率が増えています。
タカバシ お店で飲むのは生ビールで、缶とか瓶で売っているのは生じゃないって、僕も思ってたんで…
佐藤さん ただね、基本的に、最近はもう、樽も缶も瓶も、中身同じなんだけど、ひとつ、違いの可能性があるのは、鮮度ですよ。樽の方が、飲み屋とかビヤホールとか、鮮度がいいですよね。瓶とか缶とかのほうが、樽に比べるとちょっと鮮度が落ちますかね。おいしい、おいしくないにつながる可能性があるわけですよね。
タカバシ おいしく飲める缶ビールですが… 缶のうしろに書いてありますよね。何ヶ月ぐらいまで、おいしく飲めるっていうのは…
佐藤さん 敢えて言わせて頂くと、だいたいひと月以内が理想的です。3ヶ月以上過ぎたビールは、避けたほうがいいかもしれませんね
タカバシ 探してみると、1ヶ月で買えるビールっていうのは、まわりのコンビニエンスストアでも結構なくて。
佐藤さん 買えない事が多いですね。昔はね、どんながんばっても、造ってから飲めるまで、工場を出て、卸屋さん入って、卸屋さんから小売りに行って、小売り屋さんから、飲めるまで、ひと月ぐらいかかってたんですが、今はね、早ければ一週間から二週間くらいでいいんじゃないですかね。だから、ひと月ぐらいでも飲めるんですけど。まぁ3ヶ月ぐらいまでがおいしく飲めるんです。
タカバシ 鮮度っていうのは、ビールを飲む方は気にしていないと思うんですよね。まだそこまで…
佐藤さん そうですね。業界の営業の人は、随分とみなさん、気をつけて呼びかけるんですけど、なかなか徹底しませんね。
タカバシ あと泡! 泡を立てたほうがいいって事を僕は知らなかった。こんなに泡ばっかりつけやがって、って今までは思ってたんですが、泡があった方がいいんだっていう…
佐藤さん ビールには大事なことが二つあります。上手に注ぐとおいしく飲めるという話は先ほど出ましたね。実際においしく飲めるということで、現象面の事実として、それを皆さんひとりひとりがわかる。それは、飲んで確認できるということです。僕は技術屋だから、理由が気になるわけですね。それでわかってきたことは、もともと泡っていうのは、蓋の役目もしていてね、ビールの酸化を防ぐとか、泡のガスの抜けるのを防ぐとかっていうのがあるんですよ。そこがね、化学屋だし、醗酵屋だから、まぁあたりまえだと、っていうことだったんだけど、認識がちょっと不足していましたね。ビヤホールの場合、せいぜい注がれてから飲むまで、3分から5分でしょ。経時変化としての3分から5分の時間は、泡が立っても立たなくても、あんまり影響ないと思っていたんだけど、そうではなかったんですね。3分から5分の間でも、きめ細かないい泡があるかないかで、酸化とかガス抜けとか温度上昇とか、ものすごい影響があるんですね。それがはっきりわかったわけですよ。だからね、当初、泡は大変重要であることを造る立場でばっかり考えていたんだけど、おいしく飲むことを考えると、いっそう泡が大切だ、ということがハッキリしてきたんですね。その次にね、きめ細かな泡と粗い泡の話になってくるんだけど、なぜ、きめ細かい泡と粗い泡が出来るのか、というところで、注ぎ方によって違ってくるわけです。まぁ、瓶、缶、樽などの容器にも関係してくるんですけどね。結局、ビールには炭酸ガスがあるわけですね。炭酸ガスの量っていうのは、1リットル中、約5グラム入っているわけですよ。0.5%重量ですね。炭酸ガスの抜き方によって、泡が違ってくるんですよ。で、一般的にガスの抜き方は10%から20%ぐらい、あるいは、25%ぐらいまでの抜き方であれば、きめ細かい泡ができやすいんですね。3割ぐらいになると、だいたい粗い泡になってくる、ということがわかってきました。それがひとつと… 炭酸ガスの含有量が多い方が、苦味を強く感じるということなんですよ。意外とこれを知っている人は少ないかもしれません。技術屋の中でも知らない人が多いのかもしれない。で、これをいうとね、優秀な技術屋の中には、変な顔をする人もいるんですよ。要するにね、ビールはもともと、ガスが多めに入っているんですよ。缶詰め、瓶詰め、樽を含めてね。注ぐ前と注いだ後で、ガスが抜けて炭酸ガス減りますね。それによってビールの味が変わると、その味でも特に舌で感じる苦味が変わるんです。で、ガスが抜けた方が、ガスが少ない方が、苦味を弱く感じる。これを指摘する人は少ない。非常に少ないといえます。
タカバシ ちょっと話がずれるんですけど… 今の発泡酒とかって、結構うまく注いだつもりでも、泡が粗いんですよ。あれはどうしてなんですかね。
佐藤さん 実際の現象面からはビールと差はないと思いますが、理屈としては、ガスが少し抜けやすいからかもしれません。
タカバシ 発泡酒はガスが抜けやすい、というのは?
佐藤さん その話をするとむずかしくなりますが、要するに、麦芽の使用率が少ない、麦芽の使用量が少ない分、泡の成分が少ないんですよ。
タカバシ なるほど。
佐藤さん 泡の成分が少ないって事は、炭酸ガスの保持力が少ないんです。一番の例は、サイダー、シャンペンとビールの違いがわかりやすいです。シャンペン、サイダーっていうのは、すぐにガスが抜けますよね。ビールは、抜けづらいですね。それは、よくいうんだけど、マッチに火をつけてグラスの上に持っていってみてください。まず消えないから。サイダー、シャンペンは、マッチを持っていきますと、消えてしまいます。ということは、ガスの保持力、ガスを逃がさない力が強いって、泡持ちに関係するわけですよね。その点、ビールと発泡酒は少し違う可能性があるかもしれないだけです。ビール会社各社は、お互いに、泡持ちがよくなるようにがんばっていますが、これはどうしても、微妙な差といえるかもしれません。
タカバシ なるほど。
佐藤さん だから、麦芽の使用率が高くなってくると、その変化として一般的には泡持ちがよくなってきますね。
タカバシ 最近、その発泡酒がいっぱい出ているじゃないですか。ビールはスタンダードな存在でいつもの銘柄があって、発泡酒はどんどん棚が変わるっていう感じがするんですけど… あの動きっていうのは、どうご覧になっていますか?
佐藤さん 僕はね、発泡酒はね、もう、市民権を得たと思うんですよ。と申しますのは、昨年、平成13年度も30%越えているんですね、このデフレ下で。ビール全体の3割が発泡酒なんですよ。だから、発泡酒としてでなく、ビールとしてね。ただ、発泡酒というのは、安いだけでおいしくないと考えるのはとんでもない話でね。麦芽使用率は少ないんだけど、その割にビール各社が必死になって造っているんですよ。ビールと全く同じとは言えませんけども、限りなく近づいてきています。値段を考慮すると、僕は、ビールとして扱っていいと思います。ただね、マスコミをみると、税金を取るなとか、その辺の論点が違うんですよ。品質とか、おいしく飲むものとか、そういう話が全部飛んでいるんですよね。ああいう情報を気にかけずに、値段と品質を考えれば、僕は、まさしく発泡酒はビールだと思います。現に欧米、アメリカもそうでしょ。日本の発泡酒みたいなビールもかなり多いんです。アメリカのビールは、発泡性穀物飲料といわれるくらいコーンスターチの使用量が多いんだから。ヨーロッパでも、例えばベルギーにもあります。ドイツだけ例外ですね。副原料を使わずに、大麦だけ使えっていうね。っていうのは、それは16世紀のビール純粋令っていうのがあるんだけど… あれも特にドイツだけの現象でしてね。もうあれは確かに大麦だけ使ってビールを造るという、品質の向上にはなっているんだけど。なぜかっていうとビールを造るときには、大麦だけ使えっていって、裏を返せば小麦を使うなということなんですが… 当時、小麦がビールに使われると、パンを作る為の小麦が不足するんでね、特に穀物不作の時にはね、やむを得ずそうしていた。消費者保護ですよね、パンが食べれるように。使い方さえ良ければ、副原料を使うのは、むしろ当たり前なんですよ。しかも日本人は、割と淡泊な味が好きですから。発泡酒はちょっと麦芽が少なめなんだけど、品質さえ良ければ、おいしければね、ビールでいいと思ってます。
タカバシ 僕、佐藤さんの本を読んでおもしろかったのが、ビール飲んだ後、ラーメンが食べたくなるのはどうしてか、とか。そういう話題でビールに興味を持つ人も多いんじゃないかな、って。
佐藤さん そうかもしれないですね。ああいうビールの事を何でも知っている人は少ないんですよね。あれも京都大学の先生の言われたことなんだけど、なんでビールやお酒を飲んだ後に、ラーメン食べたくなるかなんてわかんなかったんですよね。ラーメンに限らず、お酒を飲んだ後に甘いものを食べたくなるという人間の生理面からも正常でして、そういう人もいるんですよ、むしろ多いんじゃないでしょうか。僕自身がそうでした。かつてはお酒を飲んだ後に甘いものを食べていると先輩・上司に怒られましたけどね。僕はたまたま親父が甘いもん好きだったから、酒飲みながらね、親父の遺伝かと思ってさ、先輩に怒られても、しょうがないなぁと思って、おとなしくしていたんですよ。
タカバシ ただ、アルコール摂った後の炭水化物は太ります。
佐藤さん 問題はそこなんですよ(笑)。ビールに限らず、お酒はエネルギー源としてすごくカロリーがあるわけで、さらに甘いものを食べてカロリー摂るとカロリーオーバーで太るんですよね。麺類もお茶漬けも甘いものの仲間なんです。
タカバシ それで失敗するんですよね。ちょっと話題は変わりますが、お酒の失敗ってありますか?
佐藤さん いやぁ、しましたよ、私自身は今もまだ変わってませんよ。ただ、昔はですね。酒を飲むと本音を言いますよね、割とね。翌日「おまえは酔ってこう言った、こう言った」と言われる。やっぱりまわりにいる先輩上司が言うんですね。で、言われた時に「そうか、私は言ったか。言ったからには、う~ん、責任とる!」と。「しまった!!」という事もよくあるんだけどね。でも、それはまぁ一生懸命努力すると、上も下もまわりも理解してくれますね。今は「そういう失敗すると許さない!」っていう雰囲気がある。
タカバシ あ~、そうかもしれません。
佐藤さん それが最近ちょっと気にかかっていますね。僕は今言ったように「失敗した」と思ってもね、意地があるからね、失敗したと思ってもね、良い意味で自分の我を通す、日常生活とか仕事の面でね、なんとしても言った責任をとるために、次々とがんばる。するとまわりがなんとか理解をしてくれるんで、意外と最後は許してくれたと。甘えるわけではないんだけどね。今はそれと違うところがある。だから結局本音を言えなくなっちゃったんですよ。
タカバシ 佐藤先生の世代からみて、今の例えば10代、20代ぐらいまでってどう映りますか? 自分の若い頃と比べて…
佐藤さん 基本は同じでしょう。ただ、正論とか言いたいことがなかなか言えなくなってきている。これは言わない方にも責任があるけど、言わせないというムードもあって、こちらにも責任はある、という議論もありますね。僕らの場合は、若者のヤングパワーでやってきたというか。それに対してね、まわりも理解してやろうという気持ちがありましたね。酒の席を含めてね。だから「今日の酒の席で言ってやろう」とか「酔っぱらったら言ってやろう」とかさ、そういうチャンスがあったわけですよ。古い殻を破ろうという、チャンスが幾つかあったから。上にもそういう理解者もいたし、そういうムードもあったからできたんですよ。今はそれもないでしょう。昔はそういうことして偉くなる人がいっぱいいたんですよ。
タカバシ 先生のお話を聞いてて思ったんですけど、例えばあれですね、植木等のお気楽な…
佐藤さん サラリーマン?
タカバシ サラリーマンの世代、ですか。その時って?
佐藤さん そうですね。しかしサラリーマンは決して気楽であるとは言えませんよ。
タカバシ あの時って、プラスの勘定しかしない感じ? マイナスがいくらあってもいいから、プラスがあればとりあえず業績を認めてくれるような… 今ってプラスは置いといて、マイナスだけで計算されちゃうような感じがする。
佐藤さん それはね、今いったことは正しいと思いますよ。あの頃はね、高度成長だから何やっても何でもプラスになることが多かった。株でもそうだ。なんでもうまくいったんです。全体の株が上昇傾向であれば、誰が何をやっても絶対儲かったり、うまくいったんです。
タカバシ うまくいってしまう…
佐藤さん そんな時はみんなうまくいってしまうんです。そうすると上に立った人ほど、偉くなった人ほど、自分がやったと思う、錯覚なんですよ。いなくてもいいのに、そういう人たちは。いなくても、むしろいない方がもっとうまくいったかもしれないというのは言い過ぎかもしれませんけど。でも、これだけやったっていう、非常に間違った認識をもっている人がいるわけです。成功体験って本来良いものでしょ。ただ今になって、成功体験が悪い方に行っている事が多い。つまり、高度成長時代に何でもうまくいったから、うまくいったのは、自分のおかげだと思っている、偉くなった人ほど。これは、問題が多いですね。
佐藤さん 銀座7丁目の海老原さんがやっているような上手なビールの注ぎ方を、そういうビヤホールがもっと増えてほしいんですよ。そうすると…
タカバシ 悪いところが淘汰されますかね。
佐藤さん そう、おいしくないところがなくなってね、いつでもおいしく飲める、そうなってほしい。いつでもおいしく飲めるビアホールがいっぱいあれば、必ず全体でビールの消費が増えて、一人一人が飲む量も増えるし、個人も国もよくなるし、楽しくおいしく飲んで、至福の時間も過ごせる時間も増える、おいしいと思うんですがね。ビール会社もわかってないところがあるんですよ。僕が本を書いたのは、あれは… ビール業界用に書いた、といえるかもしれません(笑)
タカバシ 今まで、お話を聞いていると、ビールっていうのはまだまだ発展途上ですね。
佐藤さん そうですよ、発展途上です。まだまだいけますよ。美味しさを追求し、楽しいことをわかっていただいて、美味しく飲んでもらって三位一体。造る方と注ぐ、飲む方で、三位一体でかなりおいしく飲める。結局ね、最後に一番大事なことは… ビールを注ぐパートは、ビヤホールではお店の人ですが、家庭では自分なんですよ。だからこそ、おいしく注ぐこと、これを忘れなければね、もっともっと美味しく飲んでいただいて、皆さんが、ビールっておいしいんだなって、もっと飲もうかなって事で日常生活がもっと楽しくなるし、消費量も増えるし、いいなと思うんですね。それが私のビール観。今もそうなんだけど、これからもそうなんですが、持論なんです。そのための伝道師を続けようと思っています。


13年前のインタビュー、時の流れはそんなに感じずに読めたのでは
無いかと思いますがいかがでしょうか?
当時、「ビールは至福飲料」という佐藤さんの言葉にとても感銘を受けました。
難しくするものではなく、とにかく楽しく飲めるお酒がビールであり、
そのための活動を僕も続けて行こうと、今回改めて思いました。
高度成長期の日本のお話も面白かったなぁ…

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