前回は2013年にアメリカで売れたビールの銘柄トップ20について書かせて頂きました。
今回はビールの消費者に焦点を当ててみたいと思います。
現在アメリカのビール消費者はジェネレーションX(1960年代から1980年初頭生まれ)から
ジェネレーションY(1980年代から2000年初頭生まれ)に移行しつつあります。
(この世代の括りは提唱する人や調査によっても異なるため、大体このくらい、
と捉えてください。また今回はアメリカでの世代について書かせて頂いています。)
ジェネレーションY(10代から30代前半)は、別名をグローバル世代、
ジェネレーションネクスト、ネット世代、ミレ二アルズ(Millennials)とも呼ばれています。
(Wikipediaより)
幼い頃もしくは10代の頃に911を経験し、景気は一向に良くならず、
2012年の調査では大学卒業生の二人に一人は就職が決まっていません。
残念ながら今のところいい事がなく、ちょっと哀しい世代です。
そんなミレ二アルズも大人になりつつあり、
ビール業界が一番注目している消費者層といえます。
それではまず第2位のクアーズライトの戦略から。
第一回でも大手は味で勝負しない代わりに
新しい層の取り込みに重点を置いていると書かせて頂きましたが、Ad Age に言わせると
“more about sociability and less about the beer itself - ビールそのものよりも社交”
クアーズは特に”冒険”をテーマに、TVコマーシャルでは、
バーで足りなくなったビールをロッキーマウンテンや海底から取って来るなど、
ミレニアルズの冒険心をくすぐる内容になっています。
それでは業界1位。バドライトの戦略について。キャッチコピーは
“The Perfect Beer For Whatever Happens” どんな状況でもパーフェクトなビール”
そう来たか!って感じですよね(^_^)
今年(2014年)のスーパーボールのコマーシャルでは、
男性にバドライトを持った美女が近づき、バドライトを見せ。。
後はパーティやらシュワちゃん登場のピンポンやら、これでもか!というくらい
豪華なゲスト達が登場する夜が繰り広げられます。
更に興味深いのが、2013年売り上げ15位に入っている
バドライトプラチナム(アルコール度6%!)。
このビールについてはとても面白いので、また別の機会に書かせて頂きたいと思いますが、
去年このビール宣伝ディレクターに就任したのが…
ジャスティン・ティンバーレーク!
アイドルグループのインシンクから、今は俳優としても活躍中の彼の登場するCMも、
ビールよりも社交。オシャレな男女が夜遊びに繰り出し、
ジャスティンのステージを観て盛り上がるといった内容になっています。
そして2014年。ジャスティンの後を引き継いだのが、Zedd(ゼッド)。
ゼッドは23歳のミュージシャン。EDMのミレ二アルズをターゲットに彼を起用したとのこと。
(EDMって何?と思った方!ユーアーマイフレンドです。
エレクトロニックダンスミュージックの略だそうですよ)
もうこうなってくると、バドワイザーを造っているABインベブは
ストロバーリタといいジャスティンティンバーレークといいEDMといい、
アメリカのクラフトビール愛好家が立ち入らなさそうな層を狙うのが凄く上手い
という気がします。さすが キング オブ ザ ビア と自負する大企業ですね。
市場調査が上手です。(昨今はキングというよりは、もうジャックではないかという
ジョークも聞かれるようになりましたが)
如何でしたでしょうか。まだまだ色々な側面から研究してみたい大手のビール。
また違う切り口から、そして新作ビールについてなど、
別の機会にでも書かせて頂きますね!(^_^)
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