カリフォルニアからこんにちは! 第22回 大手の動向

アメリカではLIGHTが人気 カリフォルニアから

カリフォルニアからこんにちは(^_^)
外で飲むビールが美味しい季節になりましたね!

さて、タカバシさんより、アメリカの大手ビア会社の動向を、
というお題を頂きましたので、昨年2013年の集計結果や
今後の展望などを含め、2回に分けて書かせて頂きます。

まず、2013年アメリカのビールを金額ベースで見ますと、
クラフトビールのシェアは14.3%(BA調べ)ということは、
85.7%はクラフトビール(と定義付けられたところ)以外のビールとなります。

我が家の冷蔵庫の中を見ますと、クラフトビール以外のビールは入っていませんが、
まだまだこういった家庭はアメリカでも少数派となります。
ここカリフォルアでも、大手のビールしか飲まないという友人もいますし、
自家醸造をしている友人も、奥様の実家(バージニア州)に行くと、
サムアダムスのビールでさえ気取りすぎだと言われてしまうのだとか。

では、アメリカでは何が売れているのか? 2013年の売り上げトップ20はこちらです(IRI調べ

アメリカのビール売上ランキング


一位はバドライト! 圧勝ですね。2位のクアーズライトは、数年前にバドワイザーを抜いて、
2位の売り上げを獲得したときは大きなニュースとなりました。
(いま、超どうでもいいと思ったそこのアナタ!私もそう思いました(笑)。
っていうか、違う会社だったの?なんて思っている人もいるんじゃないでしょうか)

ディストリビューターを加えてみますと…

アメリカのビール売上ランキング その2

ABインベブ強いですね!
20位にBUD LIGHT LIME STRAW BER LITAが入っているのには、驚きです。
17位のバドライトライムに、本物のストロベリーマルガリータをブレンドした飲み物です。
(Bud Light Lime with the taste of an authentic strawberry margarita.
って、つまり、味は本物だけど中身は。。ってこと?)
こちらはアルコール度8%。これはなかなか面白い現象です。

トップ20のビールを見てお気づきの方も多いかと思いますが、
アメリカで人気のビールといえばライト系なんです。

アメリカではLIGHTが人気

ストロ。。バー。。リタ?(ベリーとビアとマルガリータをかけてるんでしょうね、たぶん)は、
普段はビールを飲まない、ハードリカー好きの人々、特に女性をターゲットにしたビールです。
発売された時は、こんなん買う人いるのかと思いましたが(実は今でも思っている)
きっちりトップ20に食い込んできましたね。

というわけで、買ってみました。好奇心を抑えきれず、売り上げに貢献してしまいました。

BUD LIGHT STRAW-BER-RITA

期待を裏切らない色をしてますね。氷を入れてお楽しみくださいと書いてあるので、
入れてみましょう。マルガリータ用のグラスが無くて残念(棒読みしてください)

ストロバーリタ

飲んでみると、これは。。。まさにカキ氷のイチゴ味ですな。

甘くてシュワシュワ。子供のジュースみたいです。
口当たりが良くてもアルコール度8%。酔いが後で回ってきます。
このビールはノンビアドリンカーの取り込みに成功というよりは、
ビールを限りなくビールでは無くした結果、騙して飲ませるのに成功した、
と言ったほうがいいかもしれません。

ビール愛好家をクラフトビールに奪われている大手のビール。
味で勝負しない代わりに(失礼過ぎ?)、新しい層の取り込みに重点を置いているようです。
今後もどんなビール(か?)が出てくるのか、ちょっと楽しみではあります。

さて、現在アメリカのビール消費者はジェネレーションX(1960年代から1980年初頭生まれ)から
ジェネレーションY(1980年代から2000年初頭生まれ)に移行しつつあります。

次回はこの世代交代に伴う、ビール業界の移り変わりについて書かせて頂きます。

(最後に)
第2位にのし上がったクアーズライト。飲み口を従来の缶よりも広くすることで
The Most Refreshing Can 最も爽快感のある缶”というキャッチコピーを付けていましたが、
1位のバドワイザーを造っているABインベブが
 ”technologically superior to other beer cans,
  and provide a more refreshing beverage experience
-本当に他社のビール缶よりも優れていて、更なる爽快感を与える飲料なのか” を証明せよと
NAD(ナショナル広告審査局)にクレームするという事件(というにはくだらないですが)
がありました。現在はこのクアーズのキャッチコピーは消されましたが、
大手は醸造以外にもいろいろ忙しそうではあります。

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